ナチュラル・ストーリーズ

Date_ 2012.01.27 19:42

先日行われた、芸術学部メディア造形学科の客員教授 、
写真家の畠山直哉さんの講演会。

昨年に東京都写真美術館で開催され、いまアムステルダムに巡回中の
個展「Natural Stories ナチュラル・ストーリーズ」の話を中心に、
畠山さんの自然観や、写真の力学に関する持論などをお話しいただきました。


石灰や石炭など鉱物資源を精製する工場や採掘現場、その跡地を
捉えた作品を発表されています。壮大で圧倒的な自然と関わりな
がら生きる人間の営みや歴史を、静謐で美しい風景として写し
出してきた畠山さん。
「自然」と聞くと、海や山といった美しい風景を想像しますが、
畠山さんの作品に写る採掘現場のように、人間が手をかけて変形
させた地形などを見ると、より強く自然を意識してしまいます。

畠山さんは東日本大震災で津波の被害にあった陸前高田市の出身。
津波によって畠山さんの実家は流され、母親を亡くされました。
個展では、震災後に畠山さんが撮影した陸前高田の写真とあわせて、
震災以前、帰郷するたびに撮影していたという、今は失われてしまった
かつての町の風景がスライドショーとして映し出されました。

震災以前の写真には、畠山さんの実家の前を流れる気仙川の水面や
祭りに参加する人々、そしてお母親の姿が、静かな情景として捉えられ
ており、こんなに美しい風景が自然の力によって失われてしまったことを
どう理解してよいのかと深く考えさせられます。

「震災は納得できるものではないけど、自然とは人間のもつ意識や思考、
社会を超えて現象する出来事です」

私たちが自然を意識するという意味では、被災地の写真は
その極みにある風景を写していると言えるのかもしれません。

個人的な歴史を背景にもつ畠山さんが撮影した写真と、いわゆる
報道写真を評価あるいは比較することの困難さや、
震災以前の風景を写した写真のように、写真がある出来事によって
まったく別の意味を持ち始めるという、写真と出来事の関係性に
ついて言及された写真論が興味深かったです。

震災以後、さまざまな人によってアートや表現の可能性について
語られていますが、表現者が乗り越えなければいけない、新たな
境地に立たされていることを実感する講演でした。

セイカ大学院での2年間のセイカ

Date_ 2012.01.26 19:05

今週の火曜日、水曜日とギャラリーフロールで
大学院芸術研究科とデザイン研究科の修了発表会が行われていました。

理論系の大学院生は自分の研究内容について発表。
制作系の院生は、自分の作品のコンセプトや
制作過程について、などをプレゼンしました。

2010年に開設されたデザイン研究科(マンガ研究科も同じ年に
できました)からは、はじめての修士が誕生します。
第一期生ということもあり、プレゼンにも力が入ります。

作品『光室』について説明する高木くん(専門はプロダクトデザイン)。
この作品は閉じられた一畳の空間に誰かと入り、
対面しながら光を楽しむ、というもの。
中はどんな空間なのか入ってみたい。
高木くんの研究テーマは「原点のコミュニケーションの大切さ」。
一畳という空間で、大切な誰かと光を愛でる。
なんと、ロマンチックなコミュニケーションなんでしょう。


同じく、プロダクトデザイン領域の趙くん。
趙くんの作品は、「触覚」を重視したもの。
説明しているのは、天板の下側に樹脂シートを貼り、その中に
水を入れたテーブル。「驚き」がキーワードです。
天板の下に手を入れると、たぷたぷとした触感が。
触った人はきっと驚くはず。

趙くんは他にも、木の木目を活かした器や、和紙をつかった照明器具など、
素材と触感にこだわった作品をつくっていました。

大学院の修了作品は、2/15~2/19に開催されるセイカウィーク
見ることができます。
セイカでの成果をぜひ見にきてくださいね。

セイカノート012号ができました

Date_ 2012.01.25 21:28

セイカノートの最新号012号ができました!

ファッション特集ってことで、
ファッションブランドもてがけるBOREDOMSのYoshimiさん(セイカ卒業生)や
小説家の嶽本野ばらさん、フォトグラファーの米原康正さんの
巻頭インタビューが実現。豪華です。

なかでも、嶽本さんの
「お洋服なら自分の心ひとつでいくらでもいい感じに変えられる」って言葉が印象的。
自分の気持ちだけでは変えられないこともたくさんあるから、
そう思うと、服でまだまだ毎日を楽しめるなあ。

ファッションを楽しむことにかけては、セイカの学生の得意分野だと思います。
流行を追うよりも、自分の着たいものを堂々と着こなしている。
そんなセイカ生のファッションスナップページも見どころのひとつです。
写真は、グラフィック3年の茜ちゃん、プロダクトデザイン3年の陽太郎くんが撮影してくれました。

そして、今号の表紙は赤い鏡のイラストが目印。
イラストコース4年の大塚文香さんが担当しました。
じつは奥付のクレジットをまちがって掲載してしまっています(すみません!)。
版画の学生さんになっていますが、大塚さんのイラストです。

大塚さんの絵は、鉛筆の線がおもしろい。
鏡やドレスという女の子アイテムや動物たちが、妙な線で描かれています。
真似して描いてみたくなる線。でも、まったく真似できない線です。

さいごに、個人的にプッシュしたい見どころ。
いつもの「セイカファッション」のコーナーに先生が登場。
なかなかいい人選だったと自負しています。

しかおのつぶやき