seika∞sekai – 京都精華大学ブログ -

RSS

2014.04
25
19:15

レコーディングの歴史と細野晴臣さんの求める音

去年にひきつづき、 ポピュラーカルチャー学部客員教員・細野晴臣さんの今年第1回目の特別授業がありました。

「今日は、音響の話をしよう」
そういって、できたばかりの友愛館のMagi Sound Studioの話から。

「さっき見てきたけどビックリした。できすぎている。すごい。みんな、恵まれているというか、甘やかされているなあ。すごいですよ。佐久間博物館みたいだ。『部屋鳴り』がよい」

そういって、『部屋鳴り』とはなにか、よい音とはなにか、レコーディングの歴史をたどりながら話してくださいました。

細野さんは50年代初期の音が好きだそう。
スタジオの部屋がやわらかい素材でできていて、なにもしなくても「よい音」が録れた時代だそうです。
そこから現在の人工的な音づくりが主流になるまでの流れを、細野さんのレコーディング体験でいうと・・・

エイプリル・フール時代は4トラックで録音。
はっぴいえんどの1・2枚目は8トラック、3枚目には16トラックに・・・と、 70年代に飛躍的にトラック数が増えています。

この頃のマルチレコーディングは、 楽器に対して接近して音を録るので、ほかの楽器の音がまざりません。
「この楽器の音だけが録れればいい」と考えられていたからです。

「そうしてばらばらに録った音源をmixするのだけど、なにかが足りない。だから、エコーやリバーブをつかって楽器と楽器の空間を埋めていった。そして、とっても大事な『空気』を失った」と細野さん。

50年代は、数本のマイクでバンドの音を一度に録っていたので、空気も一緒に録れていたのだそう。
そして、スタジオはそんな部屋鳴りを考えてつくられていたのですね。

話を聞いていると、楽器の性能ではなくハコにこだわったMagi Sound Studioがどんな音を理想としていたかが改めて感じられました。
佐久間正英さん監修のスタジオのすばらしさを、細野さんからも教わることができました。

「よい音」の話、キャピトル・レコードのスタジオの話、いまレコーディングで使うマイクの話、低音が好きな理由、ハリウッドの話へとつづいていくのですが、細野さんの話は、往年のミュージシャンの名前や曲が出てくるのはもちろん、映画監督や俳優、小説家、アーティストなど、さまざまなジャンルの人名や作品名が次々に出てきます。
みんなメモをするのに必死なくらい。

細野さんの体験談でありながら、良質のカルチャーに触れるピースがたくさんちりばめられている感じ。
あっという間に講義終了の時間が来てしまい、スティーナ・ノルデンスタムの 「I See You Again」がかけられました。
音楽に包まれながら「それではまた」と、教室を去る細野さん。

まるでショーを見た後のようにドキドキして、情報でパンクしそうになりました。
次の講義までに見たい映画や音楽、本がやまもりです。

Comment コメントをどうぞ

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>

PAGE TOP