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2014.05
27
10:44

ねむきゅんとセルフプロデュースについて考える

昨年の木野祭ではライブで盛り上げてくれた『でんぱ組.inc』の夢眠ねむ(ねむきゅん)さんが、今度はなんと先生としてやってきてくれました。

ねむきゅんが登壇した授業は、大学院デザイン研究科が開講する「創造領域特講4」。第一線で活躍するクリエイターやプロデューサーを講師に招き、自ら表現の場をつくり、作品を広く社会に流通させるためのセルフプロデュースの方法論を学びます。
現在は「秋葉原ディアステージのアイドルプロデュース講座」と題して、4週に渡り『でんぱ組.inc』などのアイドルを生み出した秋葉原ディアステージの面々を講師に迎え、アイドルプロデュースの手法を実践的に学んでいます。

2回目となるこの日は、ねむきゅんと、『でんぱ組.inc』プロデューサーの福嶋麻衣子もふくちゃん)さんが対談。ねむきゅんのこれまでの活動を紹介しながら、既存の枠にとらわれないプロデュース論についてお話しいただきました。

この授業は科目履修者以外の学部生にも開かれているのですが、この秋葉原のシリーズはワークショップなどを行う回もあるため事前申込み制。70名の定員はすぐに埋まりました。この日も全員が参加して教室は満員です。

授業の前半では、美大出身のねむきゅんが、アイドル活動と密接に絡めながら続けている美術作家としての活動を紹介。
アイドルである自身のグッズを限定制作しギャラリーに展示した個展には、入場のためにファンが列をなして並び、グッズも初日にすべて完売。美術の新人作家であれば異例の結果です。美術における作家とパトロンの関係をアイドルとファンの関係に置き換え、展覧会という現象そのものを作品化したもので、ねむきゅんにしかできない表現であり、鋭い批評性をもっています。

後半は、「夢眠ねむのつくり方」と題して、これまでのアイドルとしての活動を振り返りながら、独自のセルフプロデュース論を展開。
1stシングル「魔法少女未満」のリリースのときのエピソードでは、まだ駆け出しの頃で予算が無かったのに、どうしても紙ジャケにこだわりたかったというねむきゅん。
「紙ジャケがいい!」と「でもお金が無いからできない!」を天秤にかけたとき、前者が勝つ。
するとお金が無いの補うために自分で歌詞カードをつくらないといけなくなる。
じゃあ、その作業している様子をUstreamで配信したらおもしろいんじゃないかという話になり、実際にそれを見た人がCDを買ってくれるという展開に。
衣装も買うことができず、思い出の詰まった中学校の制服を泣く泣く切り、100円ショップで買った材料で装飾してリメイク。でもそれが「ねむきゅんと言えばセーラー服」を印象づけ、いまにつながるキャラクターとしての要素を獲得することができたんだそう。

そのほかにも、自身の挫折やコンプレックスの話を織り交ぜながら、そのような体験をいかにして作品や表現のアイデアソースにしてきたのか、強い武器のつくり方を話してくれました。
逆境やコンプレックスを転換して、自分の武器として強みを生み出す。それがねむきゅんのセルフプロデュースの本質であり、キャラクターをかたちづくってきたことがよくわかります。

参加していた学生の感想でも
「アイドルとしてファンを意識することは、自分の場合だったら作品をみてくれる人を想定するのと同じ。作家としても鑑賞者を想像することが大切だと思いました」と、アーティストとアイドルを越境しながら表現を生み出しているねむきゅんの体験談は、多くの学生たちに響いていたようでした。

もふくちゃんも「セルフプロデュースには、環境やファンまでデザインする意識が大事。自分の作品をどういう人が購入してくれるのか、どんな人が喜んで見てくれるのか、そういうデザインまで含めてプロデュースする力がいま求められている」と、作品はもちろんトータルでプロデュースを考える必要性について話していました。

「学べる環境って、その中にいるときはありがたみがわからないもの。わたしも実際そうだったし、だらだらしてしまうこともあるけれど、その“だらだら”もいつか意味があるように、しっかりだらだらするといいんじゃないかな。勉強するときはしっかりする。全部がまじめにやりすぎなくていいから、いつか自分のためになるようにしっかり時間を使ってください」
学生にメッセージをくれたねむきゅん。

じつは、ねむきゅん、セイカのことは「自由な校風で入学してみたいと思っていました」というくらい高校生の頃から興味をもってくれていました。
そして、教えることも以前からやってみたかったそうで、「今日やってみて、次はもっとこうしたいと思うことがいっぱい出てきたので、また機会があったら先生やりたいなって思いました」とのこと。
この深い授業の続きを、もっと掘り下げて聞いてみたいです。

次回のこの授業では、ディアステージ所属のアイドル候補生にきてもらって、みんなでコンセプトや売り出し方、プロモーションを考えるワークショップを行います。どんな展開になっていくのか楽しみです。

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オリコンニュースサイトに、授業の様子が取り上げられました。

ORICON STYLE
[でんぱ組・夢眠ねむ、大学院で初講義 “自己プロデュース”語る]
http://www.oricon.co.jp/news/2037792/full/

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