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2014.07
11
13:28

ありきたりのものを輝かせる方法(くるり岸田繁さん_アセンブリーアワー講演会)

まさか、こんなに何回も童謡「チューリップ」を歌うことになるとは。
そんな2014年度前期2回目のアセンブリーアワー講演会、ゲストはくるりの岸田 繁さんでした。

講演のテーマは「ありきたりのものを輝かせる方法 」。
「どこかで見たことがある」「どこかで聞いたことがある」というありきたりのもの。
そのありきたりを、ありきたりじゃなく、キラキラ輝かせるにはどうすればいいのか、そんなお話でした。

誰でも知っているありきたりのものとして取り上げられたのが、童謡「チューリップ」。
この曲の可能性をみんなで追求していきます。

まずメロディーラインだけで聞いてみる。そしてみんなで歌ってみる。
幼い頃によく聞いた、よく歌ったチューリップの曲です。

次に、ベース音を加えてみる。そしてみんなで歌ってみる。
「興奮したのか、みんなの声がでかくなったよね」と岸田さん。
確かに、リズムが生まれた気がします。

また次に、そのベース音のスケール(音階)を変えてみる。そしてみんなで歌ってみる。
歌ってみた感想を参加者に聞いてみると、「青空の下で咲いているチューリップを思い描いた」という人もあれば、「血まみれのチューリップを想像した」「女性の太ももに描かれている紫のチューリップが浮かんだ」という人、とさまざま。

「メロディーラインにぼくのつくった適当なラインをプラスしたことで、短い曲の中に起伏が生まれた。そのことで、花びらそのものの感触や厚み、花の一生のこと、その日の天気なんかを思うようになる」(岸田さん)
誰でも知っている「チューリップ」という曲に、いくつもの音やメロディーを層のように積み重ねていくことで、それを聞く人の中に物語が生まれるのです。


「わかりやすく説明することは大切だけど、感情移入しにくい」という岸田さんの言葉に、何かを伝える仕事をしている私もハッとさせられました。
文章でも音楽でも同じで、違和感を感じて心にひっかかったり、感情をゆさぶられることでずっと記憶に残る、という経験はよくあります。
では、わかりやすく、ありきたりなものをくずしていくにはどうすればいいのか。
岸田さんはこう言います。
「きめつけを解く、ということ。自分の身体をつかって、一回”ありきたり”を解体してみる必要がある。固定概念に旅をさせる、ということかな」。
今回、何度も「チューリップ」を歌ったのは、身体をつかって固定概念を解体するという作業だったとは。

最後にもう一度、みんなでメロディーラインだけの「チューリップ」を歌いました。

「やっぱこれやわ、いい曲やわーって感じひん?
みんな固定概念に旅させたやん、旅行行って帰ってきたおばさんが『やっぱり家がいいわー』みたいな感じ」(岸田さん)。

岸田さんとみんなとの90分間「チューリップ」の旅がここに終わりました。

 

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