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2014.07
29
14:35

世界を変えるためにできること(三宅洋平さん_アセンブリーアワー講演会)

6月26日、アセンブリーアワー講演会のゲストとして、音楽家の三宅洋平さんが登壇しました。


三宅さんはミュージシャンでありながら、昨年行われた参議院選挙に立候補し、連日「選挙フェス」と称する新しいかたちの選挙活動を展開したことで注目を集めました。結果的には落選したものの、17万を超える票数を獲得。現在も音楽活動を続けながら、次回の立候補に向け政治活動を行われています。

講演会では、同じく音楽家であり三宅さんともバンド活動を行うPeace-Kさんを聞き手に迎え、ミュージシャンである三宅さんが選挙に立候補した経緯や、アートと政治の関係性などについてお話しいただきました。

幼少期をベルギーで過ごした三宅さんは、7歳のときに日本に移住。帰国後、さまざまなカルチャーショックを受けたことが、海外と比較して日本の社会を考えるきっかけになりました。
例えば、日本では子どもが小学校に入学するときに新品の鉛筆セットを買い揃えます。それゆえ、鉛筆を使うことがルールのようになっていますが、貧富の差が大きかったベルギーでは1年生は何でもいいから字を書けるものを一本持って来ればよいとされており、三宅さんにとってはそれが当たり前でした。入学後の最初の授業でボールペンを使っていた三宅さんは「ボールペンは禁止です」と先生から注意を受けます。

「その瞬間、クラスメイトから一斉に“ボールペンだぁ!?”という目で見られたことが忘れられない」と話す三宅さん。
書いたものを消すことができない(=間違えた経緯を確認できるから)という理由で、ベルギーでは鉛筆よりもボールペンが推奨されていたという話も、教育に対する考えや社会の違いを象徴しているように思えました。

次第に、身近な移民問題や沖縄の基地問題など、日本が抱えるさまざまな社会問題に興味を持ち始めた三宅さん。いまの社会を変えたいと思う気持ちから、パンクやロック、レゲエ、ヒップホップなど、社会に対して批判的なメッセージをもった音楽を好むようになり、ミュージシャンとしての活動においてもライブのMCで原発問題など社会問題を扱うようになりました。

「でも、社会を批判するということは、実はとても社会的な行為なんですよね」と、当時を振り返る三宅さん。
自分が望む社会があるから、いまの社会を批判する。でも、批判するだけでは世界はなかなか変わらない。
権力をもつ側に対してリアクションを続けることに限界を感じていた三宅さんは、それならば自分から打って出る方が良いのではないかと考え、選挙に出ることを決意します。

「デモをしたり、リアクションすることはもちろん大事。でも同じ時間とお金をかけるなら自分から先んじてその対応をさせた方が効率的かなと思ったんです」

「立候補するまではずっと正面玄関を避けて裏口を叩いていたような感覚。何でこんなに遠回りしたんだろうと思いましたね。選挙は、自分の考えを世の中の人たちに伝えることができる最大の宣伝手段。だから、志のある人はぜひ立候補してほしい」と三宅さん。


「“世界を変える”というと大きな話になるけど、まず目の前の人の心を動かせるかどうか。相手のなかに自分の考えを浸透させるために、興味や愛着をもってもらうことができるかどうかが重要。そのときに有効になるのが、アートする力。
政治の世界でも、さまざまな運動や集会のために大量のチラシが作られるが、その多くは読む人に対する愛を欠いた自己主張に終わっている。そんなの誰も読まないし、アーティストの目線でみればめちゃくちゃぬるい。
イベントの集客はフライヤーやポスター、Webサイトのデザインが命。そこで、アートやデザインの力が問われるんです。
たった4コマのマンガの方が伝えられることがある。歌をつくるときも同じで、限られた文字数のなかで人を感動させる言葉を紡いでいく。それは政治のキャッチコピーをつくることと似ています」

「きみたちは、原子力なんかよりもはるかにすばらしい力を学んでいるんだということを再確認して、モチベーションにしてほしい」

選挙活動を通して“アートと政治を結びつける” ことの可能性を、多くの人に伝えた三宅さん。
世界を変えたいと思ったなら、自分たちにもできることがある。数多くの印象に残る言葉は、参加した学生たちの心にも刻まれたはずです。


そしてもうひとつ、印象深く心に残ったことがあります。

「いまの社会の中で、これは良い、認めていることはありますか」という参加者からの質問に対して、
「たくさんあるけれど、精華大学のような大学運営が可能になっていることも希望のひとつ。日本の教育もまだまだ捨てたものじゃないなと思えます」と三宅さんが言ってくれたこと。
僕たちは、この期待に応えていかなければいけません。

こちらで当日の様子が公開されているので、興味をもった方はぜひチェックしてみてください。
youtu.be/jm8xjALN2kk

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