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2014.12
01
12:07

マンガの可能性を語る(竹宮惠子×養老孟司 特別記念対談)

京都市と京都精華大学が2006年に開設した「京都国際マンガミュージアム」は、今年で開館8周年を迎えます。
8月には来館者が200万人を突破し、この数字を見てもマンガが多くの人に愛されていることを実感させられます。

11月24日(月・休)には開館8周年を記念して、京都国際マンガミュージアム館長の養老孟司さんと京都精華大学学長の竹宮惠子先生との対談が行われました。


テーマは「マンガと教育の現在を語る」。
マンガやアニメ、ゲームにも造詣の深い養老さんと、マンガ家であり、4月から京都精華大学の学長に就任した竹宮さんとの対談は、もちろんマンガや大学の話題が中心だったのですが、お2人の知識の幅広さを表すように、話題は多岐に渡りました。

4年生の夏休みにはじめて昆虫の標本をつくった養老さん。
5年生のときにはじめてマンガを描いた竹宮さん。
「だいたい、10歳ぐらいに社会性が発達してくるんです」 (養老さん)

ヒトは4歳ぐらいで初期の社会性が生まれてきて、他者を意識しはじめます。
そして、10歳ぐらいになると、家族以外の”見知らぬ人”に対する意識が芽生えてくるのだそう。
誰かに見せようとして、標本やマンガをつくった養老さんと竹宮さん。
何かをつくることで、他者とのつながりを生み出すところにお2人の共通点を感じます。

昆虫標本だったら、3日間でもつくり続けられるという養老さん。
「手仕事は楽しくて、飽きないものだ」と言います。
それに加えて、竹宮さんも「誰かに期待されてヒット作をつくるよりも、コツコツと描き続けることの方が幸せ」と。

経済が右肩上がりだった時代と比べると、今は労働人口も減少し、
生産すれば経済が成長するという時代ではなくなっています、
「価値感を変えて、本当に必要なものだけをつくればいいんじゃないか」(養老さん)

そんな時代だからこそ、熱中できるものを見つけて、手を動かして本当のものをつくりあげてほしい。
そして、「できた」という喜びを味わってほしい。
お2人から、若い人たちへのエールです。

では、経済的な成長が見込めない、ある意味閉塞感が漂う時代の中、マンガの持つ可能性とは何でしょうか。
それはマンガの特性とも関係してきます。
「マンガでは現実とは違う、別の世界が設定できます。だから”マンガ”という枠組みがあれば、その中では真っ赤なウソにもひたれるんです」 (竹宮さん)
「教会や劇場と同じで、その額縁の中では相当なことができる」(養老さん)

”マンガ”という枠組みをつくれば、その中は別世界で、さまざまなものを入れ込むことができます。
中にはくだらないものもあるけれど、すばらしいものが含まれていることもある。
玉石混交なのがマンガの特性で、その幅広さ、ふところの深さによって今の時代をひっくり返す、価値感を変える可能性がある、とお2人は言います。

対談の最後に竹宮さんがこう言いました。
「マンガは、新しい何かを開拓していける力を持っています。だからこそ、大事にしていきたい文化なのです」。
世界から注目を集める日本のマンガが持つ力は、想像するよりも大きいのかもしれません。

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