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2015.02
21
16:09

「2014年度卒業・修了制作展」京都市美術館レポート(デザイン学部編)

「京都精華大学 2014年度卒業・修了制作展」(卒展)もいよいよ明日が最終日。

京都市美術館本館では芸術学部とデザイン学部の展示が行われています。

デザイン学部の展示は、テーマもメディアもさまざまで毎年賑やかな雰囲気。
最初の展示室はグラフィックデザインコース。インパクトのある作品が出迎えます。

グラフィックデザインコースの浅井美香さんの「glean」は、草や落ち葉など足下の何気ない自然から発見した色の重なりや線をグラフィックアートとして再構成した作品。「glean」には「少しずつ拾い集める」という意味があるそうで「これからも日々の気づきを拾い集めながらデザインに素直に向き合っていきたい」という言葉からも、作品同様に、冷静さと強い意思が感じられました。

デジタルクリエイションコースのうさぎちゃん(大島瞳さん)による「うさぎなのです」はデジタルツールを利用した参加型の作品。うさぎのぬいぐるみに付けられたARシールとコンピュータを使ったクイズゲームに挑戦し、うさぎちゃんとコミュニケーションをとる楽しい作品です。
どんなクイズかはヒミツ。明日行く人は、勇気を出して参加してみてください。

同じくデジタルクリエイションコースの左近榮梨さんの「タイムスリップグラス」は、バーチャルヘッドディスプレイを装着することで、タイムスリップを体験できるメガネツール。
本能寺や寺田屋など京都の歴史的な観光スポットで使うと、過去に起こった出来事が映し出され実際にその場にいるように感じられます。これはまだ体験版のものですが、ワクワクする未来を想像させてくれる、デジタルクリエイションコースらしい作品。個人的にいつか実現してほしい作品ベスト3の一点です。

みんなでめくって見ているのは、イラストレーションコースの鈴木花菜さんの「一日一歩。366歩の足跡カレンダー」。

日めくりカレンダーの一枚一枚に、さまざまな動物の足跡が紹介されています。
アイアイの手はこんな形をしてるんだなあ、と足跡の形のおもしろさを楽しんでいると、次第にその動物を身近に感じてきます。リサーチを重ねた成果と作品の量に圧倒されます。

建築コースの山本なつこさんの「大きな屋根の小さな家」。タイトルどおり大きな屋根の下にたくさんの家や共有スペースが設計された作品。待機児童や少子高齢化による問題を解決するための建築として、地域ぐるみで子育てできる環境が提案されています。街全体が屋根で覆われていたら雨とか気にせず遊べるのになーと、子どもの頃の妄想を思い出しました。これもいつか実現してほしい作品ベスト3に。
建築コースではほかにも、ブラジルのファベーラと呼ばれるスラムの生活空間の改善をテーマにした作品など課題に対するアプローチの仕方がどれも興味深かったです。

ライフクリエイションコースの岡彩美さんの「コポット」は、子どもたちに外で遊んでほしいという思いで制作された作品。昔は缶と紐で作っていましたが、これは木と革が使われていて裸足で遊ぶことができます。実際に体験できるスペースも用意されていました。
たぶん、自分に子どもがいるからかもしれませんが、ライフクリエイションコースでは音と絵で楽しむ絵本や食器など子どもに向けた作品が 印象に残りました。

いつか実現してほしい作品ベスト3の最後。プロダクトコミュニケーションコースの小田部くんの作品「京トラム」は、将来増えると予測されている観光客や地域住民の高齢化などに対応するために、次世代のLRV(Light Rail Vehicle)の運営システムと車両を提案した作品。車両設計に対する細かな視点もすばらしいのですが、市街の観光地周辺の混雑状況をリサーチした路線図や、車両にあわせて停留所まで設計されていて説得力があります。

デザイン学部はキャプションやパネルの解説を読むと、テーマに対するアプローチのおもしろさやリサーチ力の高さがわかるので、できればじっくりと観賞することをおすすめします。

次回、芸術学部レポートにつづく。

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