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2015.02
22
11:39

「2014年度卒業・修了制作展」京都市美術館レポート(芸術学部編)#seikaweek

京都精華大学 2014年度卒業・修了制作展」(卒展)は本日が最終日。
マンガ学部・研究科人文学部デザイン学部のレポートに続いて、芸術学部と芸術・デザイン研究科のレポートをお届けします。

芸術学部は京都市美術館本館が展示会場。

日本画コースの津田麻奈美さんの「未来へ」は静謐な森の木々を描いた風景画。樹皮や草の葉の1枚1枚が丁寧に描かれており、その場の光や空気までも感じとれるような作品です。「こんなに世界は美しいのに、、」あの名セリフが心に浮かびます。

陶芸コースの中川夕花里さんの「誕生」は、会場でひときわ目立っていた作品の一つ。頭部は細かな絵付け、顔の部分は金が施されています。これまでの人間の営みが凝縮されておさめられているような圧倒的な存在感。

立体造形コースの木村龍太郎さんの「立像」も巨大な作品。蜂のような昆虫の像を鉄で作成した力作です。観賞する環境施設課のヤマゲンさんは身長186cm。その大きさが伝わるでしょうか。

 

映像コースの谷雄介さんの「mirage」は、障子で囲まれた空間にプロジェクションマッピングした作品。プロジェクションマッピングは通常建物などに投影して屋外で観賞されることが多いのですが、日本の伝統的な建築空間に取り入れることで現代的なインテリアとしての可能性を提案しています。

版画コースの田澤萌さんの作品「ゆっくりと遠いところ」は石膏を素材にした立体の版画作品。黒い鮮やかなインクで装飾された建物のようなオブジェが街のように並べられています。版画は紙に刷るだけでなくこんな複雑な立体に刷ることもできます。

テキスタイルコースは、平面や立体のアートから着物やテーブルクロスなど実際に生活の中で使えるものまで、染織の技法・繊維素材をつかった多様な作品を展示しています。

テキスタイルコースの辻本依里香さんの「ヒント」は綿や麻に細かく刺繍を施した作品。さまざまな色の糸を重ねることで独特な質感が生み出され、地層や石の断面のようにも見えます。平面と立体の中間に位置するような作品。

洋画コースの中川愛梨さんの油彩による「うつろのみき」。横に長い画面の中に、舞台装飾のような木を中心に左から右へと物語が展開するように描かれています。西洋の宗教画を連想させ、現代の人間のありさまが表現されているようです。

同じく洋画コースの西野彩花さんの油彩作品。写真から抜き出されたような人物や風景はどこか現実感の無さがあり、そのイメージの組み合わせと情緒を感じさせない筆致から現代的な感覚を感じます。

卒展は本日までですが、3月29日に開催するオープンキャンパスにあわせて、大学のギャラリーフロールで卒業制作選抜作品展の開催を予定しています。見逃した方はその機会にぜひご覧ください。

美術館別館では、大学院 芸術研究科とデザイン研究科の修了制作展と大学院1年生による研究制作展が合同開催されています。

芸術研究科染色専攻のヒール・メリンダさんの「a swift migration オトメインコの渡り」は友禅染めの技法を使い、暖簾のように仕立てた作品。インコと木々などの風景が前後二層に分けて描かれており、透明感のある美しい作品。絹に染色された色の美しさには、いつも感嘆させられてしまいます。

デザイン研究科ビジュアルデザイン専攻の王緑さんの「きもちのはこ」は、墨流しとマーブリングの技法によるパッケージをデザインしました。東洋の墨流しと西洋のマーブリング、いずれも一瞬の美しさを紙に写し取る伝統的な染色技法として現代に受け継がれています。伝統工芸師や企業を取材してリサーチした研究成果を作品としてまとめました。

こちらは大学院芸術研究陶芸専攻1年のアルベルト・ヨナタン・スティアワンさんの「Mandala study #4」。テラコッタの小さな塔を曼荼羅のように配置した作品。アルベルトさんが丁寧に並べて設置する様子を撮影した映像もあり、制作プロセスも重要であることがうかがえます。曼荼羅の模様と板の木目の組み合わせが絶妙で美しい。

今年の大学院の展示は留学生の作品の完成度が高く印象に残りました。

それぞれの作品はすべて何も無いところから一つひとつ積み重ねてかたちになったもの。卒展はそのすごさをあらためて感じさせてくれます。
たしかな答えがないものを表現しようと失敗を繰り返しながら進んできた経験を糧に、これからも自信をもって自分の道を進んでいってほしいです。

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