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2015.05
01
19:49

和雑貨の新しいかたちを提案_ライフクリエイションコースの産学連携プロジェクト授業

先日、四条烏丸のCOCON KARASUMA内にある本学のサテライトスペースkara-Sで開催された「ふくさめるかたち」展に行ってきました。

この展示は、滋賀県にある和雑貨の製造販売会社清原さんと、プロダクトデザイン学科ライフクリエイションコース1年生による、産学連携プロジェクト授業の成果発表という位置づけ。

展覧会のタイトルにある「ふくさめる」という聞き慣れない言葉は、相手への思いを込めて、贈り物を包んで渡すという行為のことを指すようで、それが「ふくさ」の語源にもなっているとか。

そんなわけで、学生たちがふくさにどんな思いを込めて、何をつつんだのかを、作品を見ながらしっかりレポートしたいと思います。

 

箸をつつむ:人にとって大切な食事の場面で、箸の出し入れという所作にも気を配り、食事に彩を添える。

生活雑貨をつつむ:「生活を包む」がコンセプト。このティーカップだけでなく、さまざまな生活雑貨を包みやすいよう、包み方、大きさなどが工夫されている。

フレグランスボトルをつつむ:「香り」と「包む」を組み合わせた提案。ひょうたんの形が、部屋にさりげなく和の雰囲気を演出。

野菜をつつむ:ご近所づきあいの中で行われる「おすそわけ」用に。他所からいただいたものをさらに分けるという、近年見られなくなった風習を見直そうというもの。

ふくさと聞いて、タケダは結婚式の金封くらいしか思いつかなかったのですが、アイデア次第では、いろんなものがつつめるんですね。繰り返しになりますが、ふくさを使う場面では、相手に対する思いを込めることが大切なのだそうです。

 

さてこの日は、プロジェクト授業に取り組んだ、2年生の塚田さんと久光さんがいたので、二人から作品や授業の様子を聞くことができました。

―― まず、二人は「ふくさ」を知っていましたか?

塚田「自分をふくめ、友達などの同世代はまったく知らなくて、親が金封として使っているくらいでした。ふくさを若い世代の人にも使ってほしいという、企業さんの要望から始まったプロジェクト授業でしたが、まず、ふくさって何?というリサーチからはじめました。だけど、知らないからこそ自由な発想でやろう、という気持ちでしたね」。

久光「なぜ、若い人はふくさを知らないのかと、みんなで意見を出しあって考えました。実際に街で調査も行ったのですが、ふくさはデパートの呉服売り場に置いている事が多く、高価そうで近寄りがたかったですね。ふくさを売っているお店にも、若い人は寄り付かないという印象を持ちましたね」。

 

―― これが二人の作品ですね。どうしてこれを選んだのでしょうか?

婚約指輪をつつむ:塚田さんの作品

塚田「授業では、100個のアイデアを出すのが目標だったのですが、わたしはそんなに案が出なくて(笑)。最終的には婚約指輪と卒業証書の案が残ったのですが、悩んだ結果、より実用的なものということで、婚約指輪を選びました」。

花をつつむ:久光さんの作品

久光「株式会社清原さんには『和奏(わかな)』というブランドがあって、そこで販売されている『まめふくさ』を発展させた商品を考えたのですが、やはり実用的なものがよいということで、花を包むふくさを制作することになりました」。

 

―― そうしてアイデアが決まって、ようやくデザインや制作作業に入るのですね。
完成した作品について、どのように企業に向けてプレゼンテーションをしたのですか?

塚田「一生涯のパートナーへ誠実な思いを伝えるために考えました。ふくさから中身を取り出す所作からも、相手に気持ちが伝わると思います。指輪の販売店のラッピングサービスとしても考えています。ふくさを開くと、紐を通す箇所が円を描き、家庭も円満になるように、という思いも込めています」。

塚田さんにプレゼンを再現してもらいました。

紐が長いのが改善点とアドバイスを受けたとか。タケダなら「長い紐で末永く幸せに」と応えますがいかがでしょう?

 

―― 続いて久光さん、プレゼンをお願いします。

久光「花は老若男女を問わず、もらって嬉しいものだと思います。そんな花を贈るという場面を大切にしたいと考え、そのまま渡すのではなく、ふくさで包むことで、もっと贈る気持ちを込めたいと思いました。花を自分でつつめるように、一輪挿し・花束・鉢花の3パターンの折り方の説明書も添えました」。

久光さんによる再現プレゼン。

体験教室で使えそうだけど、折り方という見えない価値だけでなく、ふくさ自体にも付加価値が欲しい、とアドバイスをされたとか。

 

ふくさのリサーチやデザインを通じて、人と人が直接コミュニケーションをとる場面の大切さを学んだ二人。現代はご近所づきあいなど、人と人の関係が希薄になったと言われることがありますが、学生たちが提案した「ふくさの新しい使い方」によって、将来、人々のコミュニケーションのあり方に変化を与えられるかもしれません。

今回、24名の1年生が発表したプロダクトの中から、いつか商品化されるものが生まれたらいいなと願っています。

 

さいごに、ついでと言ってはなんですが、併設のショップもご紹介。本学を卒業した作家を中心に、アクセサリーやグッズの販売をおこなっています。

店長の川良さん。今回は緑のキャップで登場。(前回の川良さん

いまのお勧め商品は?と聞くと、期間限定(5月3日まで)の「SABAE SHOP IN SHOP」を教えてくれました。この企画コーナーでは、福井県鯖江市を拠点がに活動するクリエイティブカンパニーTSUGIがプロデュースした、福井県産のセレクトアイテムを販売。TSUGIのブランド「sur(サー)」をはじめ、今年から本学で「アイウェアデザイン」を教えていただくメガネメーカーBOSTON CLUBさんの商品もありました。

TSUGIのアクセサリーブランド「sur」。メガネ素材に使用されるアセテートとパールからできている。

実はTSUGIのメンバーには本学の卒業生がいるということで、5月に発行予定の大学広報誌『木野通信64号』でインタビューをさせてもらったばかり。みなさんもぜひkara-Sに行って、SABAE SHOPをご覧ください。

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