荒井良二さん特別授業(イラちゃん・ストちゃん編)

Date_ 2013.10.22 19:36

体育館に行ってみると、昨日に引き続いて客員教員の荒井良二さん
イラストコース1年生の授業を行っていました。
今日はみんなで絵を描くそうです。そのお題はというと…

「2014年度版イラスト家族 イラちゃん・ストちゃん」!

1年生64人が2つのグループに分かれ、“風”が特徴の「イラちゃん」、
“光”が特徴の「ストちゃん」を大きなキャンバスに描いていきます。

「こういうのは端から描きだす人が多いんだよなー」
とつぶやいた荒井さんの言葉に反応したのか、
デッキブラシでスーッと真ん中に線を入れたり、
キャンバスの上に乗って絵の具をまき散らしたり、と
両グループとも果敢に中央を攻めます。

「イラちゃん」「ストちゃん」は下書きもなければ、
姿かたちも定まってないのに、勢いよく色を載せまくる学生たち。
あふれんばかりの笑顔から推測するに、
描くことが楽しくて楽しくて仕方ないみたい。

「足で描くなー。手も使えー。」
「まずは白いところを全部埋めてみろー。」
「水を使え。水をまけ―。」

荒井さんはキャンバスのまわりを歩きながら
まんべんなく学生に声をかけていきます。
はじめは真っ白だったキャンバス。2時間も経つと…

おおー!
思ってたよりも迫力のある、大きな大きなキャラクターに。
(↑こちらは「イラちゃん」)

イラストコースの1年生に感想を聞いてみると
「いつもはひとりで絵を描いているので、
チームワークも必要で、こんなに体を動かす
激しい授業は初めてでした。楽しかったです!」
「荒井さんが“ここはいらないんじゃない?”と言ってくれたり
バランスを見て“こっちにも描いたら”とアドバイスをくれたので
なんとかできあがりました!」

「イラちゃん」「ストちゃん」はイラストコースのある
風光館に後日展示されるそう。
作品の完成度を高めた荒井アドバイスとはなんだったのか、
じーっくり眺めて、それを想像してみるのもおもしろいですね。
荒井さんとイラストコース1年生の力作、ぜひご覧ください。

荒井良二さんが語る、仕事、才能、自分。

Date_ 2013.10.22 11:51

昨日、イラスト学科客員教員の荒井良二さんの特別授業がありました。


(写真右が荒井さん、左はイラスト学科で絵本の授業を担当されている
編集者の小野明さん)

荒井さんは絵本の制作を中心に、イラストレーション、挿絵、広告、
舞台美術など幅広い分野で活躍されています。
「絵本作家なのに、なぜこんな仕事をするの?と聞かれるよね」と
小野さんが問いかけると
「職業って自分が決めるんじゃなくて、他人が決める要素が大きいと思う。
自分がやってきたことを他の人が見て、『あなたは絵本作家ですね』と
規定している感じかな」と荒井さん。

依頼されたことにこたえる。
そして、自分の作品を手にする見えない人たちにこたえるのがプロだと
荒井さんは言います。
誰かに依頼された仕事には、ルールや制約があることが多い。
そのルールや制約を楽しみ、「(その依頼には)オレならこうこたえるぜ」
と楽しむのが、荒井さん流の仕事に対する考え方なのです。


また「才能ってほしいと思う?」と小野さんが問いかけます。
それには
「ほしいけど、才能があるかないかは考えないようにしてるね」と。

才能は職業と同じで、他の人が見つけてくれるもの。
自分では思ってもみないところを、他の人に「そこいいね」と
言われて気づくのだ、と。

「才能がないと思うのであれば、自分に足りないもの、欲しいものを
どこかから持ってきてくっつければいい」
荒井さんのこの言葉には、肩の力がスッと抜けるような思いが。

かっこいい名刺が欲しいと思い、用紙を買ってみたものの結局つくらず
「私が名刺です」と言う荒井さん。
それは「絵本作家」や「イラストレーター」という職業だけで
語ることのできない「依頼されたことになんでも楽しんでこたえる」
荒井良二さんの姿を物語っているな、と思いました。

石川九楊先生と書くガリ版演習会

Date_ 2013.08.28 18:24

春秋館で、一般にも公開している石川九楊連続[公開]講座の
特別企画「石川九楊先生と書くガリ版演習会」が行われていました。

ガリ版は、やすりと呼ばれる鉄板の上にロウ紙を載せ、
鉄筆で傷をつけることで版を作っていきます。
昔はどこの幼稚園や小学校でもあたりまえにあったものですが
今ではほとんど見かけなくなりましたね。

みんなが書くのは吉本隆明さんの詩。
「けふから ぼくらは泣かない
きのふまでのように もう世界は
うつくしくもなくなつたから」
で始まる詩のなかから、各々好きな部分を抜き取り
版となるロウ紙に書いていきます。

教室で耳を澄ましていると聞こえるのは、
「ガリ」「カリカリ」「ギィー」「キキッ、キー」
と、ガリ版を切る(彫る)音。

デザイン学部の石川九楊先生ももちろんガリ版を切ります。
これはめったにない機会ということで、
学生たちは石川先生の書体や鉄筆の扱い方をじっと見つめていました。

摺る工程で苦労した人が多かったようですが、
できあがった作品はレベルの高い力作ばかり。

また、「書を書くのは起筆(書き始め)のときの
エネルギーをもらって書くということ」
とはじめに石川先生から説明がありました。
形よりも書き始めの力加減を持続させたまま書く、という
アドバイスを意識したことで、美しい書になったのかもしれません。

しかおのつぶやき