10対9で負ける

Date_ 2011.09.30 16:27

「翻訳は原文にはかなわない」
これは、昨日(9/29)のアセンブリーアワー講演会のゲスト
翻訳家 柴田元幸さんの言葉。

柴田さんはポール・オースターの著書など
多くのアメリカ現代文学を翻訳。

教務課フナツさんもオススメしていた村上春樹さんとの共著や
季刊文芸誌「モンキービジネス」の責任編集も担当されています。

翻訳に20年以上携わる柴田さんでも、日本語に翻訳すると
「何かが失われてしまう」
それは翻訳の「負け」で、負けることがわかっているのなら
せめていい負け方をしたい、と常々思っているそう。
「10対0で負けるのではなく、10対9ぐらいで負けたい」

「いい負け方」の翻訳例として、
レベッカ・ブラウンという作家の作品を訳したときの工夫を披露。

その作品は、最初1音節の英単語ばかりで文章が構成されて
いたのですが、途中から長い音節の単語を多用するように。
これは作者が意図的に行ったこと。

短い音節のものは英語の歴史でいうと初期にできた単語で、
長い音節のものはその後、ラテン系の文化が流入して
できた単語。
そんな英語の歴史が、日本古来の”やまとことば”と
中国の文化が入ってきてできた”漢語”の関係に似ていると
気付いた柴田さん。
最初の方の文章は、ひらがなで訳し、
途中からは漢字熟語を多用するよう工夫したのです。

翻訳って、ただ言葉の意味を訳すだけじゃないんですね。
作者の意図をくみ取り、
背景にある文化や、はたまた言語史まで理解していないと
いい負け方ができないとは。

講演中に、原文をいくつも紹介されたのですが、
その響きがあまりにも美しく、
英語って音楽的だなと思いました。
柴田さんも「翻訳はトーンがすべてである」と。
音楽のメロディやテンポをとらえるように
原作のトーンを伝えることが翻訳家のおしごとなのです。

カテゴリー:イベントをチェック | Comments[ 0 ]

In between time

Date_ 2011.09.29 21:07

きょうはお昼から、洋画コースと映像コースの合同で、
ドイツの美術作家を招いた特別講演会が開かれました。

今回セイカに来てくれたのは、
ドイツのベルリンを拠点に活動するメディアアーティスト
ニナ・フィッシャーさんとマロアン・エル・サニさんのお2人。

これまでアーティスト・イン・レジデンスとして、
長崎や東京に滞在した経験があるお2人は、今回、
放射能汚染の問題を扱う作品プロジェクトのために来日。
合間を縫ってセイカに来てくれました。

2人の作品テーマは、過去から未来までの変化や、
“目に見えるモノ(これまで存在していたモノ)“と、
“見えないモノ(空想や未来のモノ)”の『中間(In between time)』を
映像や写真、立体を使って表現すること。

参考作品としてみせてくれたドキュメント映画
『Spelling Dystopia(スペリング ディストピア)』は、
長崎県の端島(軍艦島)を舞台に、現実の世界の証言(事実)と、
映画の架空の世界(虚構)のどちらが本当の世界なのか、
わからなくなるような、不思議な錯覚を憶える映像作品でした。

90年代初頭、東ドイツが崩壊した当時学生だったというお2人。
街の空きビルに集まっては、国の行く末や将来を考えたのだとか。
「あれはエキサイティングだった!」と、まるで昨日のことのよう。

そんな話を聞いていて、
2人の原点は20年近く経ついまでも、けっして過去なのではなく、
しっかりと意識の中心に存在しているのだと強く感じました。

カテゴリー:イベントをチェック | Comments[ 0 ]

大迫先生のシャツ

Date_ 2011.09.28 20:39


先週末の大迫先生(プロダクトデザイン学科)
すれ違って、思わず二度見しました。

先生が服を買うときのポイントは、「派手やったらなんでも」。
シャツに目を奪われがちですが、
パンツも不思議な光沢を放つ素材です。
「今日は、秋っぽくないでー」とのことですが、
季節感とかいう問題ではない気が・・。

「今日もド派手」とのうわさを聞いて学内を探したけど、会えず。残念。
毎日、花札みたいな派手派手シャツを着ている先生。
ときどきかけている、
タージンのような黄色いメガネも気になる。
1週間毎日ファッションチェックしたい人のひとりです。

カテゴリー:セイカの教員 | Comments[ 0 ]

しかおのつぶやき