高見島に行ってきました。(瀬戸内国際芸術祭2013)後編

Date_ 2013.10.26 17:30

高見島に行ってきました。(瀬戸内国際芸術祭2013)前編」の続きです。


藤野裕美子さん(大学院芸術研究科博士前期課程修了)の作品
「肩の情―高見島―」。
島の住人のほとんど全員にあたる、30人のポートレイトを描きました。


モデルの身体の向きや描かれている部分も様々。
共通しているのは、どこか一部が画面から切れてしまっているところですが、
それが逆にその人物の特徴や個性を引き立たてているように感じます。
「最初は恥ずかしがって嫌がる方もいましたが、ほかの人を描いた絵を見てもらったり、
何度か話したりするうちに、描いてほしいと言ってもらえてうれしかった」と藤野さん。
制作をとおして、高見島の人たちと交流を深めたエピソードを楽しそうに話してくれました。


若林亮さん(大学院芸術研究科博士前期課程修了)の「望郷の火」。
古い瓦が積み上げられ、煙突状の窯の中で木材が激しく燃やされています。
瓦と木材は、この島にある使われなくなって崩れた家の廃材が使われており、
会期中の土日祝日の夕方、高見島を出る最後の船を見送る時間にあわせて
かがり火を焚くという作品です。


「芸術祭で島を訪れた人たちを送るのと同時に、行き交う船や、
島を出て暮らすかつての住人の方たちの道しるべになるように」
と、懸命に火を焚く若林さん。
日が沈むにつれ辺りを明るく照らします。そして出航の時間に。


港を離れゆく船に向かって大きく手を振る若林さんの姿。
今は失われてしまった、私たちにとって大事な何かを
この作品が回復してくれた気がしました。

「瀬戸内国際芸術祭2013」の会期は、11月4日(月・祝)まで。
高見島には、このほかにも紹介しきれなかった作品があります。
会期は残りわずかですが、ぜひ現地に足を運んでみてください。

ちなみに豊島では、3年前の開催時に制作された
塩田千春さん(洋画分野専攻卒業)の作品「遠い記憶」が展示されています。


木製建具でつくられたトンネルが、この地の人々の記憶をつなぎます。

じつはこの作品、建物の老朽化のため今年を最後に撤去されることに。
豊島に行かれた方はお見逃しなく。

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